建物について

交友館の総敷地面積は約885平方キロメートル。
本館は総木造2階建て(延床面積227平方メートル)で、1階は、忠実に再現した松下村塾(8畳1室)に繋がる学習塾「松陰塾」とキッチンを備えた吹き抜けの談話室で構成される。2階は資料展示コーナーと、研修等で訪れた際に宿泊可能な、プライベートルーム3室、萩の街を眺望が楽しめるウォークスルーテラスを備えている。
建築は、地元萩の協和建設工業株式会社様、本館の照明デザインは、照明デザイナーの森 秀人氏(LightingM)、造園は、浦田 知裕氏(浦田庭園設計事務所)が担当した。

モダンなアプローチで新たな価値提案

風致ある歴史の街・萩の風景に溶け込みながらも、建築家の智原 聖治 氏(智原聖治アトリエ/福岡市)が提案したのは、広々とした吹き抜けのホール(談話室)を中心に据えた、木の薫りに包まれる総木造建築だ。 提案の根幹を支える技術は、CLTという最新工法である。

3層以上の構造を持たせた
耐久性ある建築資材 CLT(直交集成板)

通常、木造建築は線材(柱や梁)で支えるため中高層建築や広い空間の構築には不向きである。
その最適解として登場したのがコンクリートに匹敵する強度の木製の面材で支える工法「CLT(直交集成板)」で ある。これを用いればビル建築も可能だという。

無機質な鉄骨造・RC造の風景を変えるドイツ発祥のこの工法は、ヨーロッパや日本の先進的な建築に取り入れられ次々と美しい建築が誕生している。
萩でのCLT施工は本館で2例目。
智原 聖治氏はこの工法を用いた「WIL-BU山王(福岡市)」で2019年度グッドデザイン賞にも輝いている。